2021年版このミス雑感

このミス2021年版

 このミスの雑感は毎年上げてるんだけど、最近はその間隔がどんどん短くなってる気がするなぁ。特に昨年はコロナのせいで、印象に残るような旅行とか、イベントが何もなかったのでなおさらです…

 さて、昨年末の段階で(未読のものも含め)世間の下馬評から割り出した、私の予想はこうでした。

【海外】
『その裁きは死』アンソニー・ホロヴィッツ ◎
『死んだレモン』フィン・ベル ◯
『指差す標識の事例』イーアン・ペアーズ △
『念入りに殺された男』エルザ・マルポ △
『もう終わりにしよう』イアン・リード △
『あの本は読まれているか』ラーラ・プレスコット ▲

【国内】
『たかが殺人じゃないか』辻真先 単勝一点勝負

『死んだレモン』の評判をよく聞いた気がしたんですが、意外に上位ではなかったですね。『あの本は読まれているか』は、ミステリ扱いされない可能性もあると思い、穴馬扱いでした。
 この中で、既読の作品についてコメントしますと、

『指差す標識の事例』イーアン・ペアーズ
 ミステリというより歴史小説、という意見も分かる気がする。多視点ミステリなら、もう少し簡潔に、一冊でまとめたほうが良かったのでは。何しろ物語が長すぎて、下巻を読んでいるころには上巻の細部を忘れてるという… いや、私がバカなだけかもしれませんが(笑)。

『念入りに殺された男』エルザ・マルポ
 フランスの田舎町。あるペンションの女主人が、宿泊中の高名な作家に乱暴されそうになり、誤って殺してしまう。彼女はその罪を隠すためにあらゆる手をつくす…
 この主人公、普通の主婦のはずなのに、どうしてこんなに実行力があるのか… 実は元・工作員!? なんて設定が飛び出してくるのかと思ったが、そんなことはなかった(笑)。リアリティには欠けるんだけど、物語としては楽しませてもらいました。

『もう終わりにしよう』イアン・リード
 映像化されて一時期評判になったのでどうかな? と思ったんですが、意外にベストテンでは票が伸びませんでした。確かに、この手の作品は日本では珍しくないので、新鮮味がなかったのかもしれませんね…

 正直な感想をちょっと書きますと、実は新作よりもレオ・ブルース『死体のない事件』、セオドア・ロスコー『死の相続』ヒラリー・ウォー『失踪当時の服装は』(新訳版)など、旧作のほうが印象が強かった年でした。

 うーん、ダメだな。新作ちゃんと読まないと!



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