飯田線〜秘境駅の旅1 鹿島槍から辰野駅

秘境駅へ行こう!

 昔読んだ小説にこんな場面があった。
 作品も作者も忘れてしまったが、女性作家の作品だった気がする。

 母親に連れられて電車に乗っていた小学生の女の子が、途中の駅の雰囲気が気に入ってそこで降りてしまう。当然、母親に叱られて連れ戻されるわけだが、「この子ったら、降りる駅を間違えたくせに、恥ずかしいもんだから、駅が気に入って降りたなんて言うのよ」という母親の言葉に「違うのに…」と反発を覚える。
 分かるなぁ、と思った。小学生って意外と感受性が発達していて、大人が思っているよりよっぽどマセた理由で行動したりするのだ。

もっと秘境駅へ行こう!

 新幹線や特急列車から窓の外を眺めていて、「あそこで降りてみたい!」と思うことはわりと誰にでもあると思うが、こういう感情って、相手によってはなかなか理解してもらえない。

「秘境駅」という言葉を初めて聞いたときはすごいと思った。田舎駅山麓駅だと、なぜそこで降りたいの? と問い詰められそうだが、秘境駅という言葉は、そこで降りてみたい理由までちゃんと説明できている気がする。


鹿島槍ヶ岳

 さて夏休みを利用して、以前から行ってみたかった秘境駅の宝庫といわれる飯田線へ、鹿島槍ヶ岳登山の帰りに立ち寄ってみることにしました。
 ちなみに鹿島槍は今回で二回目。扇沢→種池山荘(一泊目)、種池山荘→鹿島槍山頂→冷池山荘(二泊目)、冷池山荘→扇沢(下山)の二泊三日コースでした。

種池山荘

種池山荘ロビー

種池山荘

 上の写真は一日目の宿泊地だった種池山荘です。前回は冷池山荘のテント場で幕営の一泊二日コースでしたが、今回はメンバーに女性が多いこともあって小屋泊。テントのほうが食事や消灯時間を自由にできる利点はあるものの、この扇沢〜鹿島槍のルートは水場がないので、地上から水を担ぎ上げなくてはならないのがネック。このコースに関しては、開き直って小屋泊という選択はアリだと思います。

冷池山荘

冷池山荘・談話室

 上の二点は二日目の宿泊地だった冷池山荘、二枚目は同山荘の談話室です。
 天気は二日目の午前中にガスった以外はほぼ晴天。三年前に訪れたときも同じような快晴だったので、私はこの山とは相性がいいらしい。

 翌日は下山日。下れば下るほど気温が上がり閉口したが、午前中に無事下山完了。そして飯田線の始発駅である辰野駅に向かう。ここから先は地上の駅巡りなので危険なことは何もない。家族にもそうメールを送ったのだが…

 実は今回、命の危険を感じたのは、むしろここから先だった(笑)。



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