『謎のあの店』松本英子

謎のあの店

「街歩きもの」の漫画やエッセイと、気が合うor合わないのラインは一体にどこにあるんでしょうね。これは私にとって『東京都北区赤羽』以来の大ヒット。街歩きファンのツボを突いた傑作だと思います。

 作者が訪れるのは、「地方の洋菓子屋」「常連さんしか行かなそうな美容院」「散歩コースの途中にある旅館」「地元の小料理屋」など多種多様… うん、分かるわ。実はこの都内の旅館ってヤツ、私も泊まってみたことがある(笑)。多分、バックパッカーが利用しているか、もしくは和風のラブホだと思うんだけど… 新宿や池袋ならいざ知らず、地元の商店街にあると気になるんだよね。で、私の場合は、ちょうどパソコン一台あればできる副業(というと大袈裟だが先輩からの頼まれごと)の締め切りが迫っていたのを理由に、「自主的にカンヅメになりに行くんだ」と言い訳しつつ、泊まってみました。その旅館に(笑)。

 あと小料理屋。これも分かるなぁ。これがスナック○○や居酒屋××ならばそんなでもないんだけど、小料理屋となると一気にハードルが上がりますね。誰もが薄々思っていることを、ちゃんと言葉にしてくれてる感じ。

 作者のあとがきには「この本で紹介したお店も いくつかもうありません」「アナタにもきっとある 謎のあの店 行くなら今です!」とあります。東京オリンピックが近いせいか(?)このところ、近所でも古い店の建て替えが、一時期に比べて増えている気がします。私の地元の商店街も、さすがに戦前からあるような建物は絶滅していて、古くても昭和末期のものだけど、それでも取り壊されてなくなってみると、味のある建物だったことが分かるんですよね…
「行くなら今!」。本当にそうだなぁと思います。


謎の建物

 ↑ずっと前から閉店した状態で商店街にあり、いったいこれは何の建物だったのかと思っている謎の建物。昔の銀行のような気もするし、左下の看板(掲示板?)のようなものをみると病院のようにも見えるんですよね。何だったんだろう…?



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