このページは、今回見た中で特に好きだった建物を掲載。
辰野金吾が落ちてなぜこれが? という見解の相違を楽しんでいただければ(笑)。
旧水上歯科医院。資料によって食い違いがあるが、昭和7〜8年の木造3階建。
現在は個人宅らしい。想像していたより、ひとまわり大きな建物でした。
旧神野兄弟合名会社(齋田産業株式会社・小樽縫製工場)。昭和7年の鉄骨鉄筋コンクリート造。
小樽では珍しい、SRC造の建物だそうです。神野商店が撤退し、齋田産業が入居したのは昭和50年とのこと。
旧板谷宮吉邸。大正15年〜昭和2年。木造の母屋に、石造の洋館が連結されている変わったつくり。
平成17年に入浴施設のある食事処「海宝樓」としてオープンしたが、平成19年に経営不振で閉店。その後、現在のオーナーの判断により、母屋の半分が取り壊されて、背後に賃貸マンションが建設された。建物の維持を考えると、仕方のないことだったのかもしれないが、残された建物は何らかのかたちで再利用できないだろうか…
旧岡川薬局。昭和5年の木造3階建。
ここは、小樽の観光の中心地とは少し離れているので、わざわざ見に行くか迷いました。都内でも見られるちょっとした古い薬局だったらどうしよう… と。しかし行って大正解。想像していたより、重厚感のある建物でした。
平成21年に建築家の福島慶介氏が入手。現在はゲストハウス・カフェ・レンタルスペースなどの多目的スペースとして運用されているらしい… と知ったのは実は帰京した後(笑)。現在の用途にあまり関心がなかったので、下調べが不足していました。それなら、営業している時間に訪れて、中に入ってみればよかったなぁ…
このページは、物件をあとひとつ追加して五軒とするほうがキリがいいな、と思ったのですが、あと一軒が思いつかず、この四軒を載せました。ところが調べてみると、四軒とも竣工年度が昭和ひとケタに集中していました。旧水上歯科医院、旧神野商店、旧岡川薬局は、三軒とも違うタイプの建築物ながら、時代は昭和5〜8年と連続している。この時代の建物と気が合うのか… 我ながら不思議でした。