北海道の近代建築(小樽編1)

北斗星・ホーム

 今年の5月、古本市に出す本を整理しながら、ふと大阪圭吉の「とむらい機関車」を読み直してみました。「とむらい機関車」は乱歩の「押絵と旅する男」のように、汽車の中で知り合った、見知らぬ男との会話から始まる物語ですが、そういえば今の日本では、もうずいぶん前からこんなシチュエーションが成立しなくなっていたなと思った。
 昔の小説をいま読むと、ストーリーよりも風俗描写が面白く感じられることがあります。もう少しすると、ひと昔前に流行ったトラベルミステリーも、貴重な風俗資料になってしまうのかもしれません。

北斗星・B寝台

 8月21日、最後の北斗星が札幌に向けて出発しました。
 私は北海道の出身でもなければ、鉄道ファンでもないので、乗車機会がそんなにあったわけではありませんが、北斗星は大好きな列車でした。飛行機の座席だと、着席したまま本を読むか音楽を聞くか… 結局通勤電車と同じことをしてしまうからでしょうか。その点、夜行列車は寝転ぼうが、窓の外を眺めようが、電車の中を散歩しようが勝手。登山荷物も一時預かりにせず、まとめて持ち込めるし、とにかく行動の自由度が高いのが好きだった。

北斗星

 ラストランとなる8月22日。できることなら北斗星の写真が載せたかったけれど、あいにく列車を撮るのは専門ではないので、特に珍しい写真がない。しかし記事は書きたい! と考えた結果… 昨年5月の北海道旅行の記事を、この日を狙って出すことにしました。

 お蔵入りしかけていた小樽の写真。「建築ファンによる、北斗星追悼記事」です。

(上の写真はすべて北斗星ですが、乗車時期はそれぞれ違います)。



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