北海道の近代建築(旭川編2)

次は大物です。中原悌二郎記念・旭川市彫刻美術館(旧第七師団偕行社)。明治35年竣工。コロニアルスタイルの木造2階建。北海道でこの形式の建物というと、冬はベランダに雪の吹きだまりができてしまうんじゃないかと思っていましたが、雪かきの成果なのか? 意外にそうはなってませんでしたね。

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「偕行社」とは旧陸軍将校の親睦団体であり、その社交クラブとして建てられた建物も偕行社と呼ばれたそう。旭川偕行社は明治34(1901)年に旭川に置かれた旧陸軍・第七師団の集会所として竣工。戦後はGHQの将校クラブとして使用される。昭和43(1968)年に、荒廃した建物の復元修理が行われ、旭川市立旭川郷土博物館として再生。郷土博物館が移転した後、彫刻美術館となるが、2014年現在は改修工事のため休館中です。

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明治28(1895)年4月 日清講和条約
明治29(1896)年5月 大日本帝国陸軍・第七師団、札幌に設置
明治31(1898)年5月 上川倉庫創業
同年 (1898)年7月 北海道官設鉄道・空知太~旭川間開通
明治34(1901)年10月 大日本帝国陸軍・第七師団が上川郡鷹栖村に移転
明治35(1902)年 旭川偕行社竣工
明治37(1904)年 第七師団、日露戦争へ出征

こうして年表にしてみると、インフラ整備としての鉄道開通、そして第七師団の移転と、明治31〜34年が旭川の街のターニングポイントであったことがよく分かる気がします。

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彫刻美術館(偕行社)の隣に見えるのが、旧竹村病院六角堂。明治34年の木造建築。別の場所にあった病院の、玄関部分のみを移築復元したものだそうです。

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by kaji

 



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