『狂人の部屋』ポール・アルテ

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フランスのディクスン・カー? というより新本格みたいだなぁ…? そう思って読んでいたが、最後に至って考えが変わった。これだけのネタをバラまいて 収束させるのは、カーでも全盛期にしかできていないこと。後年のカーはワン・アイデアの作品が多いですからね。このジャンル限定での評価なら、読みごたえあるし、とても楽しい。
ちょっと納得がいかないのは犯人のキャラ設定。さすがにあれは豹変しすぎでしょう。作者も無理があると思ったのかエピローグで言い訳しているが、いっそ不合理な部分はすべて怪談オチに持っていって、『火刑法廷』をやったほうが良かったのかもね。それができるだけの道具立ては揃ってますからね。

by kaji



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